※注意※
このショートストーリーは、テレビアニメ『えとたま』とカードゲーム『バトルスピリッツ』の架空デュエル作品です。
こういう作品が苦手な方は、ブラウザバックでお戻りください。
また、作者のバトスピの腕前は、正直中の上程度です。
物語ということもあり、ご都合展開や、非効率的な判断も含まれます。
ガチなバトルを所望されても責任は負いかねますので、予めご了承ください。
以上を踏まえた上で、「それでも良いよ」という方は、どうぞご覧くださいませ。
バトルスピリッツを使って、干支神同士でバトルする神事を任された。午の干支神ウマたん。 前回のお話で、バトルには敗北したものの、しっかりとした手応えを感じて、ウマたんはやる気に溢れていた。 |
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新しい神事……頑張らないと! | |
あ、そうそう、言い忘れてたけど―― | |
ひいっ!? | |
そこへ、姿を消したはずの店長が現れ、ウマたんは飛び上がるほど驚いた。 |
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て、店長の出番は前回でひとまず終わったはずでは…… | |
神事をやることは伝えたけど、細かい内容について伝えるのを忘れていてね | |
そ、そういえば……対戦に夢中で失念していたでございます | |
いくつかルールは決めさせてもらったけど、こんな感じでよろしく頼むよ〜 | |
そう言って店長は、ウマたんに一通の書状を手渡した。 そこには大きく分けて3つのルールと、特典についての補足が書かれていた。 一つ、神事の期間は五月一日から来年の四月三十日までの一年間。その間に最も多く勝ち星を得た者を優勝者とする。 一つ、バトルに敗北しても失格にはならない。ただし、酷くマナーを逸脱した者はその限りではない。 一つ、一度対戦した相手と何度戦っても構わないが、連戦は禁ずる。また八百長は言語道断、両者失格とする。 【優勝特典】店長とスポンサーの力で、優勝した者の望みを一つ叶える(望みの数を増やすのは禁止) |
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なるほど、神々の皆様は、とにかく沢山の戦いを見たいというわけでございますね | |
そうそう。だから負けただけで失格にはしないよ ただ、相性が良い相手に連戦で勝ち星稼がれても興ざめだから三つ目のルールを定めたってわけ |
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でも、この優勝特典は…… | |
初めての神事だからね。何人かは参加してもらうための動機が要るかなあって | |
ハァ、わかりました……確かにこの特典があった方が、ウチもみんなに話しやすいでございますし | |
そう言ってくれると助かるよ。それじゃ、今度こそよろしくちゃ〜ん | |
店長はそう話をまとめると、今度こそ部屋から姿を消した。 残されたウマたんは、休憩室に戻って、これからのことに思いを馳せる。 |
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(さて、任されたまでは良いものの、まずは何から始めたら良いのでございましょう。 誰かに神事のことを伝えるのはもちろんでございますが、その前にもっとバトスピについてウチが知らないと……) |
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おつかれさまなのですです | |
あ、ウリたん。お疲れ様でございます | |
ウマたんが物思いに耽っていると、勤務時間を終えたらしい店員が入ってきた。 亥のえと娘にして、干支神の一人、ウリたんである。 小柄な背丈で、干支神のランクも12位と最下位ではあるものの、蓄えた知識量は干支神の中でも指折りだ。 干支神選抜祭では、優勝候補の猫のえと娘、にゃ〜たんの知識の師匠として裏で支え続けてきた実力もある。 |
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そうだ! ウリたんに一つお願いしたいことがあるのでございますが | |
ウマたんがお願いなんて珍しいですですね。なんでしょう? | |
実は店長から、こんな話をされまして―――― | |
ウマたんは、ウリたんに新たな神事を任されたことを伝えた。 さすが知識豊富なウリたんは、バトスピのルールまで熟知していたおかげで、話は早く済んだ。 |
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なるほど、話は分かりました。それでお願いというのは? | |
はい! ですから、バトスピにも精通しているウリたんを見込んで、強くなるためのアドバイスをして頂きたいのでございます | |
良いですよ。ちょうどこの後はオフですから | |
本当でございますか!? あ、ありがとうございます! | |
臨時のコーチを頼まれたウリたんは、二つ返事で快く引き受けてくれた。 そのウリたんが、まずウマたんに与えた指示、それは―― |
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*** *** *** |
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は〜、沢山のカードがあるのでございますね | |
ウリたんに連れられて、ウマたんがやって来たのは、秋葉原のカードショップの一店だった。 店内には様々なカードゲームのカードが、ショーケースに所狭しと並べられている。 バトスピのコーナーに足を運んだウマたんは、その多さに圧倒される。 |
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ここに並んでいるのは高額なカードやレアカード、あとは比較的新しく発売されたカードですですね あまり高くないものや、コモン・アンコモンといった低レアリティのカードはストレージという箱にまとめて入っているのですです |
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よく知っているのでございますね。ウリたんは、よくこういう店に来るのでございますか? | |
いえ。でも大体カードショップはこういうものですです さて、ウマたんは。店長から最近発売された構築済みデッキをもらったんですよね? だったらまずは、そのデッキの何枚かを入れ替えることで強化をしていくと良いと思いますですです |
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ふむふむ。なるほどでございます | |
ウリたんの話を、ウマたんは律儀にメモに取りながら、真剣に聞く。 |
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バトスピの構築済みデッキはそのままでも強いですが、古いカードの中には相性の良いカードも有るのですです それに、デッキに入れないにしても、いろいろなカードの効果を覚えておくことは、腕前の上達に繋がるはずですです ウマたんにはバトスピのセンスがあるようですですし、きっと強くなれると思うのですです |
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! あ、ありがとうございます! ウチ、頑張って強くなって、神事を盛り上げてみせるでございます! | |
その後、ウリたんに勧められた幾つかのカードを買ったウマたんは、店内のデュエルコーナーで、早速デッキの改造に取りかかった。 それから数十分後―― |
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とりあえずできたでございます! | |
うん、これなら大丈夫だと思うのですです | |
ですが、思った通りの動きを見せてくれるかどうかは、実戦で試してみなければわかりませんね | |
そうですね。私が相手をしても良いのですが、干支神同士のバトルは神事に取っておいた方が良いでしょうし…… 手近に相手になってくれる方がいてくれると良いのですけど |
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そんな都合の良い方がいるとは―― | |
見つけたのですです! | |
ウリたんの視線の先には、奇抜なファッションの人々が闊歩する秋葉原でも、中々見ない出で立ちの男性だった。 どれだけ奇妙かというと、その姿を一言で言い表すならば「王様」 誰の目から見ても、十人に聞けば十人がそう答えるだろうファッショに身を包んだその男性は、メイド喫茶干支の常連でもある。 |
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あの〜、ちょっとお時間よろいでしょうか? | |
ん? なにかね? キャッチならお断りだが…… | |
よくお店に来てくれる方ですよね? ほら、メイド喫茶干支ですです | |
あぁ、よく見たらあの店のメイドさんか! それで私に何の御用ですかな? | |
実はですね――(ですですしかじか) | |
ウリたんは、バトスピの対戦相手を探していることを説明する。 |
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なるほど……懇意にしている店員さんからのお願いだ。聞いてあげたいのは山々なんだが…… | |
だめ……ですか?(ウルウル) | |
ウリたんの必殺上目遣いに、ころっと行きそうになる王様衣装の男性。 しかし、すんでのところで踏みとどまる。 |
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わ、私はコレでも忙しい身でね。あまり時間はないんだ | |
そうですか……残念ですです、勝ったらウマたんが一日専属メイドになってくたれのに | |
なん……だと……!? その話、詳しく聞かせてもらえないかね | |
ちょ、ちょっと!? そんな話、聞いていないでございますよ!? | |
大丈夫ですです! 勝てば良いんですよ | |
そんな無責任な! | |
その話が本当なら、受けて立とう それにカードゲームは相手が居てこそ成立するもの。新規プレイヤーの育成は大事なことだからな |
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良いことを言ってますが、目的は別だというのが見え見えでございます! | |
ほら、せっかく相手が見つかったんです。腹を括りましょう! | |
ウリたんは猪のえと娘だけあって、一度走り出したら止まらない猪突猛進な一面もあることをウマたんは忘れていた。 コーチを頼んだのは自分だし、自業自得と言えなくもないのだが、まつかこんな展開になるとは想定外だ。 |
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さぁ、こちらの準備はできているぞ | |
あぁもう! こうなったらやってやるでございます! | |
ゲートオープン、界放!! ウマたん《十二神皇降臨・改》 vs 音泉キング《THE・キング》 |
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あの、直接の指示は出しませんが、フィールドに出ているカードの説明くらいはしても良いですか? | |
構わんよ。その程度であっさり負けるほど、この音泉キングは弱くないからな! | |
――と、いうことですので、張り切っていきましょう! まずは先攻後攻を決めるためのじゃんけんですね | |
ウマたん『パー』 音泉キング『グー』 |
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それではウマたん勝ったので、先攻か後攻、好きな方を選択して下さい ちなみにバトスピは、手札を見てから決められることを忘れないように |
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わかりました……では先攻を頂くのでございます 先攻はコアステップがないから……スタート、ドロー、リフレッシュ、そしてメインでございますね それではウチはまず、ネクサス『十二神皇の社』を配置(コスト3)するのでございます。さらにソウルコアを置いてLv2に バーストをセットして、ターンエンド、でございます |
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ふむ、初心者らしい構築済みデッキか。基礎はできているようだし、これなら手加減はしなくても良さそうだ。 いくぞ(スタート〜リフレッシュまで略)、私は『ボーンダイル』をLv1で召喚!(コスト2) さらに『さまよう甲冑』をLv1で召喚。ボーンダイルはメインステップの間、白のシンボル2つが追加されているため、さまよう甲冑の軽減は全て満たす そしてさまよう甲冑は召喚時の効果でデッキから1枚ドローができる |
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メインステップ限定とはいえ、シンボルを2つも追加するなんて……もし白軽減2、紫軽減1のカードがあるなら、あの1枚で軽減を満たせてしまうのですね | |
……実はそういう軽減のカードって、結構あるんですよね……それで『白紫』なんてデッキが一時期大流行してたとか…… | |
こちらもバーストをセットして、ターンエンドしよう。社をきんちとレベル2に上げられているからな | |
社のレベルを上げておいて良かったでございます……気を取り直して、ウチのターン、参ります! (スタート〜リフレッシュまで略)『ビーバン』をLv2で召喚(軽減1コスト1) そして社に置いているソウルコアとビーバンのコアを1つ入れ替えます |
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ビーバンにソウルコア……なるほど、早速仕掛けてくるかね | |
アタックステップ! ビーバンLv2でアタックでございます! アタック時効果で1枚ドローいたします | |
フラッシュタイミングだが、こちらは何もしない | |
ウチもございません | |
ではさまよう甲冑でブロックだ。ブロック後のフラッシュもこちらはないぞ | |
同じくでございます。それではBPが高いビーバンの勝ちでございますね | |
あぁ……だが、この瞬間、自分のスピリットが相手によって破壊されたことでバーストを発動! 『双光気弾』、自分はデッキから2枚ドローする。できればコストを支払い、ネクサスも破壊したかったところだが、贅沢は言ってられないな |
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王様なのに贅沢はできないのですね | |
ターンエンドです | |
スルーですですか | |
(スタート〜リフレッシュまで略)さて、ではこちらも少し動くとするかな。 『ネガ・テュポーン』をLv2で召喚!(軽減3コスト2) 召喚時効果発揮で、相手のネクサスを3つまで手札に戻す! |
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十二神皇の社が! | |
さらに自分の場に紫のシンボルがあるとき、【連鎖】効果も発動。デッキから1枚ドローだ | |
【連鎖】と書いて「ラッシュ」と読む……それは、特定のシンボルが場にあれば、追加で発動する効果ですです | |
それだけではないぞ。ネガ・テュポーンはLv2から自身の属性とシンボルを紫としても扱うことができる。 これによりブレイヴカード『スカル・ガルダ』の軽減も全て満たして召喚できる! 召喚コストはネガ・テュポーンから支払い、直接合体だ! スカルガルダの召喚時効果発揮! デッキから1枚ドロー |
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あ、赤属性のお株を奪うドロー枚数でございますね | |
紫属性は赤と並んでドローに長けた属性なのですです。紫が絡む連鎖効果もドローに関するものが多いですね | |
社は消えたが、まだバーストがあるな ライフを削っておきたいところではあるが、迂闊なアタックでせっかく召喚したテュポーンを消されても困る…… ここは敢えてターンエンドだ |
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ライフを減らさず、相手のコアを制限する。これも立派な作戦の1つなのですです | |
むぅ、確かに使えるコアが少ないですね。ですが、まったく動けないわけではございません (スタート〜略) まずは『コレオン』をLv1で召喚(コスト0) そして手札に戻された『十二神皇の社』を再びLv2で配置(軽減2コスト1)でございます まだまだ! ネクサス『獣王の爪痕谷』をLv1で配置(軽減2コスト2) これによりビーバンはLv1にダウンでございます |
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次からのドロー枚数を増やしてキーカードを引くつもりかな | |
ちなみにネガ・テュポーンは相手がアタックするたび、紫のスピリットにボイドからコアを増やして、自身は回復する効果を持っているのですです | |
大丈夫。ちゃんと見えているのでございます どちらにせよ、今のBPでは返り討ちにあうのが関の山ですね。ターンエンドでございます |
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(今のところ、どちらも派手に動いていない様子……しかし、王様さんはだいぶデッキからドローしている。 そろそろキーカードの1枚でも引いていそうな雰囲気ですね) |
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さて、少しばかり怖いが、あれだけ向こうに軽減を揃えられては動いていくしかないな (スタート〜略) 『イチバンスピアー』をLv2で召喚(軽減2コスト0)。イチバンスピアーは自身を赤としても扱う その軽減を使って、ネクサス『朱に染まる六天城』を配置(軽減3コスト1) バーストもセットだ |
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イチバンスピアーに、六天城……まさか | |
おっと、そこから先はアドバイスの範囲を超えることになるから気をつけてくれ。まぁ記載もあるから隠したところで意味は無いが…… ボーンダイルとリザーブから、それぞれテュポーンにコアを1つずつ増移動、Lv3にパワーアップさせる |
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(わざわざボーンダイルを消滅させてまで、テュポーンのレベルを上げてきた。これは――来ますね) | |
アタックステップ、ネガテュポーンでアタック! | |
(フラッシュ略)、ダブルシンボルでのアタック……ここは敢えてライフで受けます! 社の効果が発揮しますが―― |
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テュポーンはBP11000、イチバンスピアーはBPのラインはクリアしていますが、Lv2から【超装甲:赤】を持っているため、 赤属性のスピリット、マジック、ネクサス、アルティメットの効果は受け付けません。白属性の代表的な防御能力ですです |
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わかりました。ただ本命はこちら、ライフ減少でバースト『ダイナバースト』発動でございます! バースト効果はBP10000以下のスピリットの破壊ですが、これも不発でございますね……なんとも歯がゆいでございます。 せめてコストは支払って(軽減2コスト2)2枚ドローはさせていただきましょう |
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ライフで受けて、手札とコアを増やす作戦に出たか。だがこちらはほぼ無傷。さぁどうする? ターンエンド | |
スタート、コア、ドロー。ここで爪痕谷の効果、ドローする枚数を2枚にして、1枚破棄します。破棄するのは『剛腕マウンテン』 リフレッシュ、メイン。『甲獣サイオウ』をLv2で召喚(軽減2コスト2) ビーバンのソウルコアと入れ替えて、ウチの【皇獣】はみんなパワーアップでございます! そしてコレオン、爪痕谷にそれぞれコアを追加してLv2へ。これでアタックステップに入ります |
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来るかね? どんと来なさい | |
ではお言葉に甘えて。サイオウでアタックでございます | |
相手がアタックしたので、紫のスピリットでもあるテュポーン自身にコアを追加して回復させる。だが、BP13000か……フラッシュはない | |
ウチもありません | |
ではライフで受けよう | |
やはりライフで受けましたね。このまま次にアタックしても、コアが増えて、ブロックされるだけ。ターンエンドいたします | |
ふぅ、ようやく来たか | |
(――何かがくる!?) | |
イチバンスピアーの効果でこのスピリットはコスト6として召喚が可能となる! 軽減は場に4つ。2コストを支払い、 六天を支配する絶対の王!『天魔王ゴッド・ゼクス』降臨! ソウルコアも乗せてLv2だ |
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やはり出てきましたか! イチバンスピアーが見えた時点で、予想はしていましたが | |
なんだかすごそうなスピリットが出てきましたが効果は――!? またこれも無茶苦茶な! | |
テュポーンのスカルガルダをゴッドゼクスに移動。テュポーンのコア1つを六天城に移動してLv2に。 これでアタックステップ! ゴッドゼクスの合体アタック! 自分の色を2色以上持つスピリットがアタックしたとき、効果が発動 相手のスピリットのコア2つをトラッシュに置く! 爪痕谷を警戒するなら、サイオウとコレオンから1つずつ取るのが最善か |
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ちなみにソウルコアと普通のコアが乗っている場合、どちらを外すかはそのスピリットの持ち主、つまりウマたんが選ぶことができるのですです | |
な、なるほど。ではソウルコアはサイオウに残します。そして(フラッシュ略)ビーバンでブロック致します | |
何も無ければこのままビーバンを破壊するが | |
……はい | |
ターンエンドだ | |
スタート、コア、ドロー。爪痕谷の効果でドロー追加――! | |
(今の逡巡、もしかして“アレ”を引き当てたか? だとしたら動くのはこのターン!) | |
破棄するのは『激走ダッシュランナー』でございます。リフレッシュステップ―― | |
ここで本来サイオウが疲労状態から回復するが、今はゴットゼクスの【六天連鎖】が発動しているため、回復はできないぞ | |
3色以上のシンボルがあるだけで、スピリットが回復できなくなる。恐ろしい効果ですです | |
それでもサイオウは居てくれるだけで心強いのでございます! メインステップ。サイオウのレベルを再度2に。そして『激走ダッシュランナー』をLv2で召喚! 不足コストは社の上のコアを使用いたします。そしてバーストをセット |
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(先程のあれは違ったのか? それでもここでダッシュランナーとは……) 尚攻める姿勢を崩さないのか。いつも店で見る君とは随分と印象が違うな |
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ウチは、強くなると決めたのでございます。いきます、ダッシュランナーでアタック! アタック時効果で、あなたのスピリットは可能ならブロックしなければなりません。 そしてブロックされたバトルの終了時、ライフを1つ頂きます! |
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テュポーンの効果で、テュポーン自身にコアを増やしてLv3へ。だが、向こうはサイオウの効果でBP12000か…… | |
イチバンスピアーは【超装甲:赤】でブロックしなくても良い。けれど、ネガ・テュポーンは必ずブロックしなければならないのですです | |
どちらにしても、どちらかのスピリットを失った上、ライフも削られる、か……だが、甘いな 相手のスピリットがアタックしたことでバースト『魔王刃』が発動! 自分のシンボル1色につき、スピリットを回復する! 立ちはだかれ、ゴッドゼクス! さらにテュポーンの上からコストを支払い(軽減3コスト2)、フラッシュ効果も発動。 サイオウを手札に戻す。また、赤のスピリットでもあるゴッドゼクスにソウルコアが乗っているため、デッキから1枚ドローだ! |
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そんな! | |
フラッシュがなければ、ゴッドゼクスでブロック! ブロック後のフラッシュはこちらは無いぞ | |
せ、せめて一矢報いるのでございます。『エンペラーフレイム』(軽減2コスト2)で、テュポーンは破壊させて頂きます | |
それ以上なければダッシュランナーは破壊。バトル終了時に、効果を発揮するスピリットそのものがいなければライフは削られない | |
……ターンエンドでございます | |
(さっきの攻防。魔王刃のフラッシュ効果を使わなくても、ゴッドゼクスでブロックするだけでライフ貫通効果は防げたはず。 サイオウは【六天連鎖】で回復できないですし……でもまだ判断ミスとは言えませんね もしかして、王様さんの手札には防御札が無いから、少しでもドローをしておきたいとか? それならもし次のウマたんのターンが回ってきた時に、あのコンボを使うことができたら……諦めてはダメですよ、ウマたん……) |
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初心者とは思えないガッツとプレイングには素直に賞賛を送ろう。だが、私も時間を割いてまで勝負に乗ったのだ。 一日専属メイド権、このターンで勝ち得てみせる! |
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あぁ、せっかく忘れかけていたのに! | |
スタート、コア、ドローステップで六天城の効果発揮! ドロー枚数を1枚増やして1枚破棄、そちらの爪痕谷と同じ効果だな。 破棄するのは『朱に染まる六天城』だ。そしてリフレッシュ、メイン。 ネクサス『オワリノセカイ』をLv2で配置(軽減3コスト1)。六天城とリザーブのコアでゴッドゼクスをLv3へパワーアップ ――行くぞ! ゴッドゼクスで合体アタック! 2色以上のスピリットアタックにより、スピリットのコア2つをトラッシュへ。 コレオンからしか取れないので、その1つをトラッシュへ送る! |
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! この瞬間を――待っておりました! | |
なに!? ま、まさか! | |
『獣王の爪痕谷』のLv2効果、相手のアタックステップの中、相手によってウチのスピリットが消滅させられたとき、 手札から【皇獣】を1体、コストを支払わずに召喚できる! お出でくださいまし! 『午の十二神皇エグゼシード』! レベル1で召喚でございます! |
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くっ! さきほどのドローで引いていたら、すぐに召喚してくると思っていたが、まさか手札に抱えていたとは…… だが、このアタックはどうする! こちらのBPは22000! レベル3で召喚しなかったのはプレイングミスか? |
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ミスではありません。ですから、ここはライフで受けるのでございます | |
ではこの瞬間、手札からこのカードを使用させてもらう。『天魔王ゴッド・ゼクス』のアタック終了時、 『天魔王ゴッド・ゼクス』を手札に戻すことで、この『天魔王ゴッド・ゼクス-破ノ型-』はノーコストで召喚可能だ! ゴッドゼクスと合体していたスカルガルダはオワリノセカイのコアを使ってスピリット状態で場に残しておく |
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まさかXX(ダブルエックス)レアの破ノ型まで入ってるなんて! | |
バトルでは贅沢はしないが、私生活はそれなりに贅沢をしているのでね。大人の金銭力でカートン買いして集めたのさ | |
(先程の冗談、根に持っていたんですですね) | |
さて、破ノ型でアタックすれば、バーストを破棄した上、【六天連鎖-破ノ型-】の効果で、エグゼシードを破壊。チェックメイトだ | |
…………いいえ、バーストは破棄されませんし、エグゼシードも破壊させません! | |
何? | |
ライフ減少によりバースト発動!『絶甲氷盾』でございます! ライフを1つ回復、さらにコストも支払ってアタックステップは終了でございます! |
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(まさか凌がれるとは……いや、絶甲氷盾の可能性は充分有ったか…… 手札に『天魔王降臨』があれば、ゴッドゼクスを自壊し、先に破ノ型を召喚して勝てていたのだが……これが運命力の差、というやつかな それでも、私の手札には『鉄壁ウォール』が2枚ある。ライフはまだ4つ残っているし、まだまだ私の有利は揺らいではいない!) |
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スタートステップ、コアステップ……ドローステップ! 爪痕谷の効果で2枚ドロー! | |
(この状況を逆転する事ができるカードなら、ウマたんのデッキに入っています。それを引き当てられるかどうかは、ウマたん次第――!) | |
…………来ました! 『十二神皇の社』を破棄して、メインステップまで! |
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(なんだ、何を引いた!?) | |
まずはサイオウをLv2で再召喚!(軽減2コスト2)エグゼシードにコア4つを置いてLv3に。 そして、ブレイヴ『金牛星鎧ブレイヴタウラス』を召喚(軽減3コスト3)! エグゼシードに直接合体でございます! |
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ま、まさかその組み合わせって…… | |
アタックステップ! エグゼシードで合体アタック! アタック時の効果で、ソウルコアをウチのライフに【封印】いたします! この瞬間、サイオウのもう一つの効果が発動、【皇獣】すべてのBPを10000アップでございます! さらに封印したことでエグゼシードの真価発動! 【走破】で破ノ型へ指定アタック致します! |
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それだけでは終わりません! ブレイヴタウラスの効果で、シンボルの差だけ、ライフにダメージを与えるのですです! | |
そう! 合体しているエグゼシードのシンボルは3つ。破ノ型のシンボルは2つ。その差、1点のダメージでございます! そしてバトル! エグゼシードのBPはサイオウの効果を受けて、38000でございます! |
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な、なんだそのアホみたいなパワーは! くっ、フラッシュタイミング……『鉄壁ウォール』をソウルコアを支払って使用する これでこのバトル終了時、アタックステップは終了となり、さらにバトルで破壊された破ノ型は疲労状態でフィールドに残る……が、悪足掻きだな |
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さすが……お強いでございますね。今回はほんの少しの運の差で勝てたようなものでございます | |
……そういうときは、こう言うと良い 『ありがとうございました。良いバトルでした』――とね |
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なるほど。色々とご教授いただき、ありがとうございました | |
いや、まだ終わっていないぞ。最後の効果を宣言するんだ! | |
は、はい! 【走破】の効果、バトル終了時、このスピリットのシンボルの数だけ、ライフにダメージを与えます。 エグゼシードのシンボルは3つ。残りのライフをすべて頂くのでございます! ……ありがとうございました。良いバトルでございました |
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勝者 ウマたん |
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*** *** *** |
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ウマたん、すごいのですです! 店長が褒めたのも当然なのですです! | |
そ、そんなぁ。今日はちょっと運が良かっただけでございます | |
『運も実力の内』ですです。ですが、ウマたんがこれだけ強くなってしまうなんて…… このままじゃ、神事で優勝してごま油のプールに飛び込む夢はかなえられないかもしれませんねぇ |
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あ、あはは…… | |
これだけのことができればもう私から言うことはありません。 カードの知識に関することなら、いつでもお答えしますが、もうコーチとしてのアドバイスは必要ないですね |
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ありがとうございました。おかげで自信がついたのでございます | |
ウマたんのその言葉に、ウリたんは、きょとんとした顔で立ち止まる。 |
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どうかしましたか? | |
(あのウマたんから「自信がついた」なんて言葉が聞けるなんて……誰かさんの影響でしょうか) あ、いえいえ何でもないですです。それで、この神事のことなんですが、何か名前とかはないのですか? |
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そういえば……店長は何も仰っていませんでしたね | |
それならウマたんが決めていいんじゃないですか? 運営を任されているんですし | |
そう、ですね……でしたら『十二神皇祭』などいかがでしょう | |
シンプルで良いと思うのですです! では十二神皇祭のことは私からもみんなに伝えておきますね | |
そうしてくれると大変助かるのでございます。あ、それとそのついででお願いしたいことがあるのですが…… | |
? なんですか? | |
ウリたんの助力で、デッキも腕前もさらに磨かれたウマたん。 そんな彼女のお願いとは? 十二神皇祭の開催は、もう間もなく―― |
えとたま × バトルスピリッツ
『えとすぴ!』
第2話『ウチ、強くなります!』 〜完〜
〜次回へ続く〜
*** *** ***
【使用デッキ】
ウマたん『十二神皇降臨・改』
音泉キング『THE・キング』
後書きとか解説とか